青山通りから、表参道へ2007 — 2015

青参道の記録 · 2007–2015

青参道 — 路地とアートの記録

歩きなれた大通りから、路地へ。青山通りと表参道をつなぐ裏通りは「青参道」と名付けられ、個性豊かな店とアートが出会う場所として紹介されていた。

植栽と店先の窓に囲まれた静かな路地
路地の風景のイメージ

01大通りのそばにあった、もうひとつの時間

青参道という名前が表したのは、青山通りと表参道をつなぐL字型の裏通りだった。ブティック、インテリアショップ、ヘアサロン、カフェ、アートギャラリーが並び、大通りからは想像しにくい落ち着きが街の紹介に描かれていた。目的地へ急ぐ道の途中で少し寄り道をする。その小さな行動が、この通りを楽しむ入口になっていた。

店の種類はひとつに揃えられていなかった。服を選ぶ場所の隣に生活の道具を扱う場所があり、食事や本、ジュエリーに出会う場所もあった。2007年の店舗一覧には、ファッションやフードだけでなく、ブック、スクール、ギャラリーなどの分類が並んでいた。通りの表情は、それぞれの店が持つ異なる時間から生まれていた。

02店の空間が、展示の場所になった

青参道アートフェアは2007年に始まった。初回の日付は「2007年10月31日[水] - 11月4日[日]」と記されていた。店のスペースに、ジャンルや国籍を問わないアートを展示するという考え方が、通りの紹介と最初から結び付いていた。作品を見るための入口は、普段の買い物で立ち寄る店の入口でもあった。

フェアが目指したのは、アートで通りが賑わうことと、若手現代アーティストの作品を購入する楽しみを知ってもらうことだった。作品を遠くから眺めるだけでなく、自分の暮らしのなかに迎える可能性を考える。その距離の近さが、店舗を会場にした催しの特徴だった。2010年からは表参道、原宿、キャットストリートへも会場が広がった。

03秋以外にも続いていた街の催し

通りの話題は秋のアートフェアだけではなかった。2009年のニュースには、宝探しの楽しさを掲げた「青参道いちば」、浴衣姿のスタッフが迎えた浴衣祭り、春夏セール、期間限定のお修理工房、ニットのファッションショーが並んだ。店ごとの出来事を通りのニュースとして伝えた点にも、青参道らしさがあった。

2013年のゴールデンウィークには、暮らしやもてなしを題材にしたHOME PARTYが行われた。写真を室内に飾ることを考えるトーク、布やパーツを使うワークショップ、庭のカフェ、移動する音楽など、見ることと過ごすことが重なっていた。通りを歩く時間そのものが催しの一部として扱われていた。

04年ごとの違いを読む

青参道エリアと2007〜2015年のフェアには、年ごとに違う出来事があった。2011年の街を歩く企画、2012年の12日間の会期、写真に焦点を当てた2014年、LOVE and PEACEを掲げた2015年には、それぞれ異なる輪郭があった。参加者や会場の組み合わせも、回ごとに変わっていた。

店舗の記録からは当時の街の構成が、出展者の記録からはその年の表現が見えた。すべての年の記録が同じ分量で揃っていたわけではなく、参加一覧が部分的な年もあった。街の名前、店の空間、作家の表現は互いに関わり、ひとつの催しだけでは見えにくい通りの時間を形作っていた。

年ごとの記録